シロアリを見つけた際に、市販のスプレー式殺虫剤を大量に散布するのは最も危険な行為の一つです。これらの薬剤はシロアリの一部を駆除できても、巣全体を壊滅させることはできません。むしろシロアリが警戒して別の場所に移動し、被害範囲が拡大する可能性があります。

市販の殺虫剤には忌避作用があるため、シロアリが薬剤を避けて新しいルートを作り出します。その結果、今まで被害がなかった部分にも侵入され、発見がより困難になってしまうでしょう。

薬剤の過剰使用は人体やペットの健康にも悪影響を与えます。密閉された床下空間で大量の殺虫剤を使用すると、有害成分が室内に流入し、頭痛、めまい、呼吸器系の症状を引き起こす可能性があります。

床下の通気口を塞ぐ

シロアリの侵入を防ぐつもりで床下の通気口を塞いでしまうのは、逆効果となる典型的な間違いです。通気口を塞ぐと床下の湿度が上昇し、シロアリが好む高湿度環境を作り出してしまいます。 床下の適切な換気は、湿度を60％以下に保つために不可欠です。通気口を塞ぐことで換気が悪化すると、結露が発生しやすくなり、木材の含水率が上昇します。湿った木材はシロアリにとって格好の餌場となり、被害の拡大を促進してしまいます。 通気口周辺でシロアリの侵入形跡を発見した場合でも、塞ぐのではなく防蟻処理を施すことが正しい対処法です。専門業者に相談して、換気機能を維持しながら侵入を防ぐ適切な方法を検討しましょう。

ダンボールや木材を家の周りに放置する

家の周囲にダンボールや廃材、薪などを放置することは、シロアリを建物に誘導する恐れがあるため危険な行為です。これらの材料はシロアリの餌となり、建物への侵入の足がかりとなってしまいます。 特にダンボールは危険で、地面に直接置かれると湿気を吸収してシロアリの理想的な餌場となります。ダンボールに集まったシロアリが、そこから建物の基礎部分に移動して侵入を図るケースも少なくありません。

木材や紙類を保管する場合は、建物から最低でも3メートル以上離れた場所に置き、地面から浮かせるほか、定期的に点検してシロアリの活動痕跡がないか確認しましょう。

定期点検を受けない

「今のところ被害が見えないから大丈夫」と考えて定期点検を怠ってしまうと、将来的に大きな被害を招く原因となります。シロアリ被害は初期段階では発見が困難で、気づいた時には既に深刻な状況になっていることが多いからです。 シロアリは人目につかない床下や壁内部で活動するため、一般の方が被害を発見するのは非常に困難です。専門業者による定期点検では、蟻道の形成、木材の打音検査、湿度測定などの専門的な調査が行われるため、早期発見が可能です。 点検を怠ることで、小さな被害が大規模な修繕が必要な状況まで拡大してしまいます。早期発見であれば部分的な処理で済むものが、放置により建物の主要構造材まで被害が及ぶと、数百万円の修繕費用が必要になる場合もあるでしょう。

被害が軽微だからという理由で放置してしまう

「まだ被害が小さいから様子を見よう」という判断は、最も危険な考え方の一つです。シロアリの繁殖力は非常に高く、放置期間中に被害が急激に拡大する可能性があります。

一匹のシロアリを発見した場合、その背後には数千から数万匹のコロニーが存在していると考えられます。見た目には軽微な被害でも、実際には広範囲にわたって食害が進行していることが多く、表面的な判断は非常に危険です。

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適切なシロアリ対策には専門的な知識と技術が必要です。確実で安全な駆除を実現するために、プロの力を活用することが最も効果的なアプローチとなります。

まずは専門家の調査で被害の全体像を知る

シロアリ対策の第一歩は、専門業者による詳細な現状調査です。目に見える被害だけでなく、隠れた被害箇所や侵入経路、コロニーの規模などを正確に把握することで、最適な対策方法を選択できるでしょう。 専門調査では、床下、屋根裏、外周部の詳細な点検を行います。蟻道の形成状況、木材の被害程度、湿度や温度の測定、シロアリの種類の特定などを通じて、被害の全体像を明らかにします。

また、建物の構造や築年数、過去の処理履歴なども考慮して、総合的な対策計画を立案します。単純な駆除だけでなく、再発防止のための環境改善提案も含めた包括的なアプローチが可能になります。

毒餌や部分的な薬剤注入など、適切な方法の選び方

専門業者は被害状況に応じて、最も効果的で安全な駆除方法を選択します。 ベイト工法、薬剤注入、土壌処理など、それぞれの特徴を理解した上で最適な手法を組み合わせて使用します。

ベイト工法では、シロアリが好む毒餌を設置してコロニー全体を駆除します。この方法は薬剤の使用量が少なく、環境や人体への影響を最小限に抑えながら、根本的な解決が可能です。部分的な薬剤注入では、被害箇所に直接薬剤を注入してシロアリを駆除します。局所的な処理のため、建物全体への影響を抑えながら確実な効果を得られます。

土壌処理では、建物周囲の土壌に薬剤を散布してシロアリの侵入を防止します。新築時の予防処理や、既存建物の予防強化に効果的な方法です。

業者による施工後の定期点検と報告書で安全を確保

専門業者による施工後は、定期的な点検とモニタリングにより効果の持続と安全性を確保します。主に処理効果の確認、新たな侵入の有無、薬剤の安全性チェックなどを継続的に実施します。

点検結果は詳細な報告書として提供され、処理効果の評価、新たなリスクの有無、今後の対策提案などが記載されます。保証制度により、万一再発した場合の対応も確保されています。

また、アフターサービスとして、メンテナンスや追加処理の提案を受けられることもあるでしょう。建物の状況変化に応じた適切な対応により、持続的な安全を維持できます。

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自己判断でのシロアリ駆除は、一時的な効果しかなく、かえって危険を招くことがあります。

確実に駆除するには、まず専門業者による詳しい調査で被害状況を把握し、根本的な解決方法（毒餌による巣の全滅など）を選ぶことが大切です。市販薬剤の乱用、通気口の閉塞、周辺への有機物放置、点検の怠慢、軽微被害の放置は、いずれも状況を悪化させる危険な行為です。早期の専門的対応により、安全で確実な解決を図りましょう。

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