トコジラミの生態
トコジラミの特徴
コジラミのトコジラミは「シラミ」という名前がついていますが、「シラミ目」ではなく「カメムシ目」に属する昆虫です。
また、別名「南京虫」(ナンキンムシ)とも呼ばれ、戦後の日本で大流行しました。
その後、一時絶滅したといわれていましたが、多くの人々が頻繁に「海外⇔日本」を行き来するようになった近年、再び日本でも急激に被害が拡大しています。
体長
成虫は5~8mmで、メスはオスよりやや大きい。
色・形
赤茶色の卵型をした扁平な体で、羽を持っていません。(吸血すると「濃褐色」になり丸く膨れあがります。)※写真左:成虫 写真右:幼虫
成虫のトコジラミ
幼虫のトコジラミ
成長過程
卵→幼虫→成虫を経過し、蛹(さなぎ)の過程がない「不完全変態」の昆虫です。
- ◆産卵数:1日に5~6個。生涯に200~500個も産卵します。
(卵の大きさは1mm程度で、肉眼で見ることができます。) - ◆卵の期間:約1週間。
- ◆幼虫期間:約1ヶ月。
- ◆成虫期間:3~5ヶ月。
※但し、これらの期間は温度にによって大きく変化します。
※飢餓に対する耐性が大きく、無吸血でも半年~1年生きるという報告もあります。
トコジラミの被害
トコジラミの潜み場所
トコジラミは夜行性で、特に夜明け前に活発に活動し、昼間は主に下記の場所に潜んでいます。
- 寝具・ベッド木部・マットレス
- ジュータンやクロスと巾木の隙間・継ぎ目
- 家具類(タンス・机・テーブル・椅子・本棚ほか)
- カーテン・障子の継ぎ目
- フック類のビス穴・釘穴
- 柱、ドア枠の裂け目 etc.
畳の裏に潜むトコジラミ
マットレスに潜むトコジラミ
一旦、ある建物に侵入すると、部屋から部屋へと移動したり、あるいは動物にくっついて移動することもあります。
夜になると、ベッドや寝具を這って直接人間まで到達したり、天井まで移動して、そこから人間に向けて飛び降りることもあります。人間の体から出される熱と二酸化炭素に引き寄せられて人間まで到達します。
証跡
トコジラミは、あらゆる隙間を好み、その隙間周辺にたくさんの“糞”(ふん)を残していきます。写真のような多数の黒い点(=糞)が付着していたらトコジラミが生息している可能性が非常に高いです。被害拡大を防止する為にも、まずは早期発見を心掛けましょう。
壁の柱(梁)
障子の木枠
一旦、ある建物に侵入すると、部屋から部屋へと移動したり、あるいは動物にくっついて移動することもあります。
夜になると、ベッドや寝具を這って直接人間まで到達したり、天井まで移動して、そこから人間に向けて飛び降りることもあります。人間の体から出される熱と二酸化炭素に引き寄せられて人間まで到達します。
トコジラミの主な被害
吸血被害
主に「夜間」(就寝時:明け方3~5時に多い)に這い出し、人に 吸血します。刺されると赤く腫れ、非常に激しい痒痛(かゆみ)を 感じ、敏感な人はジンマシンや発熱を起こす場合もあります。
※吸血後は、すぐに潜伏場所である「隙間」に戻り、次回の吸血までの数日間をその場で過ごしています。
刺されて赤く腫れた腕
1?2週間以上消えない刺咬の痕
経済被害
「ホテル・旅館」など宿泊・滞在型の施設では、経済的な被害も深刻な問題となっています。宿泊者(滞在者)がトコジラミ被害に 発症することで、訴訟に持ち込まれたり、営業停止になるケースも起きております。有名な施設であればあるほどイメージダウン による経済的な被害は図り知れません。